東京都では金融による社会的課題の解決に貢献していくため、サステナブルファイナンス推進に向けた多様な取組を積極的に行ってきました。これまでの活動を発展させ、持続可能な都市づくりに貢献する金融サービスの普及促進への寄与及びサステナブルファイナンス分野における東京都のプレゼンス向上を目指し、この度2021年2月8日より東京・サステナブル・ファイナンス・ウィークを開催しました。
東京・サステナブル・ファイナンス・ウィーク期間中には、国内外の公的機関、金融機関、金融業界団体等関係者を対象としてサステナブルファイナンスの幅広い可能性を官民で検討する「東京・サステナブル・ファイナンス・フォーラム」を開催しました。フォーラムでは、昨今国内外で急速に拡大しているサステナブルファイナンスについて、有識者とのディスカッションを通し、最新グローバル動向の共有に加え、日本におけるサステナブルファイナンス市場の課題や東京都ならではの強みを活かしたサステナブルファイナンスの幅広い可能性を官民で検討しました。プログラムは2部構成となっており、前半の基調講演で様々な視点からみたサステナブルファイナンスの動向について触れた後、後半のパネルディスカッションにてサステナブルファイナンスの多様化と可能性等についてポストコロナ時代の視点も含めながらディスカッションを実施致しました。
時間 | 項目 | 登壇者 |
---|---|---|
13:30~13:45 (15分) |
開会挨拶・講演 『国際金融都市・東京』構想及びサステナブルファイナンスに関する都の取組について |
寺﨑 久明 東京都戦略政策情報推進本部長 |
13:45~14:15 (30分) |
基調講演① サステナブルファイナンスを巡るグローバルな潮流 |
末吉 竹二郎 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問 |
14:15~14:45 (30分) |
基調講演② 日本におけるサステナブルファイナンスの発展の系譜 |
河口 真理子 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授 兼 不二製油グループ本社株式会社CEO補佐 |
14:45~15:15 (30分) |
基調講演③ 投資家の視点からみる国内外のサステナブルファイナンスの動向 |
岩永 泰典 アムンディ・ジャパン株式会社 チーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー(CRIO) |
15:15-15:35 (20分) |
コーヒーブレーク | ― |
15:35-17:30 (115分) |
パネルディスカッション サステナブルファイナンスの多様化と可能性等についてディスカッション |
パネリスト レオ・ヴァン・ステイン アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ東京支店/ 在日代表、マネージング・ディレクター 池田 賢志 金融庁/チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー 入山 章栄 早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学 ビジネススクール/教授 竹ケ原 啓介 株式会社日本政策投資銀行/執行役員 産業調査本部副本部長 兼 経営企画部サステナビリティ経営室長 松尾 琢己 株式会社日本取引所グループ/総合企画部 企画統括役 武藤 知樹 株式会社三菱UFJ銀行 ソリューション本部 ソリューションプロダクツ部部長 (ストラクチャードファイナンス担当) ファシリテーター 磯貝 友紀 PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス/テクニカル・リード PwCあらた有限責任監査法人 サステナビリティサービス/パートナー |
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)/特別顧問
末吉 竹二郎
1967年東京大学経済学部卒業後、三菱銀行入行。1989年より米州本部に勤務。ニューヨーク支店長、取締役、東京三菱銀行信託会社(ニューヨーク)頭取を経て、1998年6月、日興アセットマネジメント副社長。日興アセット時代にUNEP FIの運営委員会のメンバーに就任。国連環境計画(UNEP)・金融イニシアティブ(FI) 特別アドバイザー「金融と地球環境」に関する数々の国際会議に参加。WWFジャパン会長、自然エネルギー財団副理事長。「責任投資原則」の普及指導・日本企業にCSR (企業の社会的責任)推進を促す。
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授 兼 不二製油グループ本社株式会社CEO補佐
河口 真理子
1986年一橋大学大学院修士課程修了(環境経済)、同年大和証券入社。1994年に大和総研に転籍、企業調査などを経て現在、立教大学特任教授、不二製油グループ本社株式会社CEO補佐、株式会社大和総研特別アドバイザー(2020年4月より)。 2020年3月まで大和総研にてサステナビリティの諸課題について、企業の立場(CSR)、投資家の立場(ESG投資)、生活者の立場(エシカル消費)の分野で20年以上調査研究、提言活動を行なってきた。現職ではサステナビリティの教育と、エシカル消費、食品会社のエシカル経営に携わる。
アムンディ・ジャパン株式会社 日本支社/チーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー(CRIO)
岩永 泰典
2014年にアムンディ・ジャパンに入社。1988年日本債券信用銀行に入行後、1997年運用業界に入り、バークレイズ・グローバル・インベスターズを経て、ブラックロック・ジャパンではグローバル・資産戦略運用部長、取締役CIOを歴任。アムンディ・ジャパンでは、入社来CIO兼運用本部長を務め、2020年7月より責任投資およびスチュワードシップ活動を統括するチーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサーに就任。ペンシルべニア大学ウォートン・スクールにてMBA、EDHECリスク・インスティチュートよりPhDを取得。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会認定アナリスト。日本経済新聞出版社から共著「ESG入門」。2018年経済産業省TCFD研究会委員。2020年TCFDコンソーシアム企画委員。
アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ東京支店/在日代表
マネージング・ディレクター
レオ・ヴァン・ステイン
2018年より現職。日本におけるホールセールバンキング事業を統括。1984年の入社以来、リテール・ホールセール両領域における業務を幅広く経験。オランダに続きアメリカ地域の信用リスク管理責任者を務めた後、2004年にグローバルホールセールバンキング・信用リスク管理責任者に就任。 2007年から2018年まで再生可能エネルギー、公益事業、電力事業の仕組み金融におけるグローバル責任者を歴任。オランダニエンローデビジネス大学学士・修士課程修了。
金融庁/チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー
池田 賢志
2019年3月、金融庁に「チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー」の ポストが新設されたことに伴い同職に就任。同職においては、気候変動 関連の財務情報開示に係るTCFD提言の日本における実施を担当すると 同時に、金融庁内のSDGs取組戦略プロジェクトチームの事務局を務め るなど、サステナブルファイナンスに関する職務を幅広く所掌。
早稲田大学大学院経営管理研究科
早稲田大学ビジネススクール/教授
入山 章栄
慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で、主に自動車メーカー・国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。 2013年より早稲田大学大学院、早稲田大学ビジネススクール准教授。 2019年より現職。 「Strategic Management Journal」「Journal of International Business Studies」など国際的な主要経営学術誌に論文を多数発表。
株式会社日本政策投資銀行/執行役員
産業調査本部副本部長
兼 経営企画部サステナビリティ経営室長
竹ケ原 啓介
1989年一橋大学法学部卒業、同年日本開発銀行(現 (株)日本政策投資銀行)入行。フランクフルト首席駐在員、環境・CSR部長等を経て2017年よりサステナビリティ経営室長を兼務として現職。DBJ環境格付融資の創設など環境金融分野の企画に長らく従事。現在、同行の産業調査活動を統括。企業のCSRレポート第三者意見執筆やESG、SDGsに関する講演等。
株式会社日本取引所グループ/総合企画部 企画統括役
松尾 琢己
1992年早稲田大学法学部卒業、2002年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。1992年東京証券取引所(当時)入所後、株式部、債券部(国債先物・オプション取引市場の制度企画担当)、大蔵省証券局出向、派生商品部、証券保管振替機構(一般振替DVPの清算機関制度企画担当)上場部(ETF、排出量取引市場創設担当)、経営企画部等を経て、2016年から現職。2018年サステナビリティ推進本部設立時から担当。
株式会社三菱UFJ銀行
ソリューション本部 ソリューションプロダクツ部
部長(ストラクチャードファイナンス担当)
武藤 知樹
ストラクチャードファイナンス(SF)業務のグローバル・ヘッドとして、サステナブルビジネス、プロジェクトファイナンス(PF)、航空機・船舶ファイナンス、ECAトレードファイナンス等を統括。1993年に東京銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。1997年以来、20年以上に亘り、SF・PF関連業務に従事。2002年から2005年にかけて、在米国ワシントンDCの米州開発銀行に出向、2011年から2015年には在シドニーの豪州SF室に在籍した。2017年~2019年にかけて、在東京のPF室長を務め、その後SF担当部長に就任、現在に至る。
PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス/テクニカル・リード
PwCあらた有限責任監査法人 サステナビリティサービス/パートナー
磯貝 友紀
2003年より、世界銀行をはじめとした公的機関において民間セクター開発専門家として勤務した経験を有する。2011年より現職。日本企業のサステナビリティビジョン・戦略策定、サステナビリティリスク管理の仕組み構築、途上国の社会課題解決型ビジネス支援やサステナブル投融資支援を実施。東京大学文学部卒、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。
東京都戦略政策情報推進本部長 寺﨑 久明
サステナブルファイナンスを巡るグローバル動向
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問 末吉 竹二郎 氏
日本におけるサステナブル投資の発展の系譜~SRIからESG投資へ~
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授兼不二製油グループ本社株式会社CEO補佐 河口 真理子 氏
投資家の視点からみる国内外のサステナブルファイナンス動向
アムンディ・ジャパン株式会社チーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー(CRIO) 岩永 泰典 氏
パネルディスカッションは「サステナブルファイナンスの多様化と可能性」をめぐり、金融行政、金融機関、アカデミアの異なる観点から①日本のサステナブルファイナンスの特徴と動向、②企業価値とサステナブルファイナンス、③非財務情報/ESG情報、及び④脱炭素時代、with/afterコロナ時代や今後の対応等についての議論が行われました。
オープニング
テーマ①日本におけるサステナブルファイナンスの特徴と動向
テーマ②企業価値とサステナブルファイナンス
テーマ③非財務情報/ESG情報について
テーマ④脱炭素時代、with/afterコロナ時代、その先
クロージング
質疑応答の後、パネリストよりサステナブルファイナンス先進都市東京を目指している東京都に対しての期待などについてコメントを挙げて頂きました。